2019年4月15日月曜日

”What's in the Celler?”(地下室には何がある?)翻訳完了

ChaosiumがCoC 7thの初心者のために作成したシンプルなシナリオ、"What's in the Celler?"を翻訳した。だいたい実働8時間くらい。
4人が推奨で、プレイアブルなキャラクターがすでに用意されている。プレイ時間は1時間だけど、初心者だけでやったらもうちょっとかかりそうな気がする。

内容は悪霊の家よりシンプルな探索のみシナリオ。探索初めて・ダイスロールやったことない人にはちょうどいいかもしれない。

Chaosiumシナリオなので、戦闘の難易度はえげつない。プレイ時間1時間の意味は、全員すぐ死ぬだろうから1時間なのかもしれない。私はこのシナリオ生き残れる気がしない。まあでもCoCってそういうものだから、笑って泣いていい死に様を残すというこのゲームのコンセプトには沿っているいいシナリオかも。

今回から翻訳支援にMemsourceを使い始めた。今までOmegaTを使っていたのだけど、分節化規則がうんこすぎて他のCATツールを探していた。Memsourceはブラウザベースで非常に使いやすい。今は無料プランでやっているけど、スポット的に月額課金してもいいかもしれない。

2019年4月10日水曜日

「目星」は目で見るものか?

始まり

こんなツイートがあった。



6版の「目星」は原語だとSpot Hiddenで、邦訳を見るとなんとなく目で見て気づくもののイメージがある。でも本当にそうだろうか?

本文をチェック

6版原語版をチェックすると、
This skill allows the user to spot a secret door or compartment,
notice a hidden intruder, find an inconspicuous clue,
recognize a repainted automobile, become aware of ambushers,
notice a bulging pocket, or anything similar. This is an important
skill in the game. (P74)
7版では、
 This skill allows the user to spot a secret door or compartment,
notice a hidden intruder, find an inconspicuous clue,
recognize a repainted automobile, become aware of ambushers,
notice a bulging pocket, or anything similar. This is an important
skill in the armory of an investigator. (P76)

で、指している事柄はほとんど変わらない。明らかでない証拠を発見したり、隠れている人に気づいたりとは書かれているが、明確に「目で見たもの」とは書かれていないようだ。この辺りは旧版新版で変化はない。となると怪しいのは日本語訳の方だ。エンターブレイン版を見ると、

 この技能を使えば、秘密のドアや小部屋を見つけたり、隠れている侵入者に気がついたり、人目につかない手がかりを見つけたり、…(後略、P84)
とあり、spotやfindが「見つける」という訳になっている。ここと「目星」という語感から、「目で見て見つける」ようなイメージがついたのかもしれない。

ではspot、findはどういう意味で書かれているのだろう?手元のOxfordで調べると、

Find
1. discover by chance or by searching. (偶然に、あるいは探して発見する)
2. recognize or discover to be present or to be the case. (存在しているものや事柄を認識する、あるいは発見する)
Spot
1. notice or recognize someone or something that is difficult to find or that you are searching for. (見つけたり探し当てるのが難しい人やものに気づく、あるいは認識する)
(訳はあんのん)
となっていた。ネットでも調べてみると、Findは一般的な意味の「探し当てる、見つける」。Spotは「たくさん物があったりして分かりづらい中から一つ特定のものを探し当てる」イメージのようだ。これらの語には特に「目で見て」という要素はないので、例えば「いろいろな匂いのする料理から血の匂いを嗅ぎ分ける」のもSpotと言えるかもしれない。同義語で検索すると"detect"や"distinguish"が出てくるあたり、おそらく正解に近いだろう。

結論

日本語訳がイケてない。

ちなみに


このツイートに応募されていた「看破」が個人的に気に入った。「見やぶる」でもいいかもしれないけど目星の目視感から脱却できてないのがアレ。


2019年2月26日火曜日

CoC 7thの公式無料シナリオ: Alone Against the Flames

CoC 7th用公式無料一人用シナリオのAlone Against the Flamesを翻訳中。
ゲームブック形式の一人用シナリオで、キャラクターも何も準備のない状態から話の中で徐々にキャラクターを構築し、ルールを覚えていくチュートリアル形式のシナリオです。
寂れた街からアーカムでの職を得た若者、バスに乗り向かうがそこへ待ち受けるものとは…。みたいなストーリー。

https://www.chaosium.com/content/FreePDFs/CoC/Adventures/CHA23145%20-%20Alone%20Against%20the%20Flames.pdf

PDF版は無料でダウンロードできます。

翻訳していて思うことは、進め方がすごく丁寧!
ゲームの中でキャラクターを作っていくというスタイルはコンピュータゲームではしばしばある形式だけど、TRPGでもあったんだなあ。おそらくこっちの方が先かな。
ウェンディゴの挑戦とかやったことないのですが、おそらく同系統かな。
こういう感じのわかりやすいシナリオを作ってみたいですな。

情景描写が詳しく、技術屋英語では見慣れない単語が多くて大変ですね…。

2019年2月20日水曜日

Boothのサイト作りました。

通販の要望があったので、Boothのサービスを使ってみることにしました。
やるって言ってから随分経ってしまった。

https://interdice.booth.pm/

骨格だけ作ったのでまだ途中です。
在庫は共同執筆者が送ってきてくれれば数を確認して上げます。
これに合わせてないやつは再販するつもりです(改訂予定の「CoC 7th やってみた」を除く)。
3月ぐらいには態勢整えますので、それまでお待ちいただければ幸い。
これをやっていても、メインは即売会での販売となると思います。

ついでに近況。
CoC 7th公式シナリオの翻訳に手をつけています。
無料でいくつか初心者(を殺すための)シナリオをChaosiumが公開しているので、軽くこなしてみるつもり…。

そういえばシナリオ翻訳勢はどういう翻訳支援アプリを使っているんだろう?OmegaTでゴリゴリやっているのに少し辟易してきた…。

2019年2月4日月曜日

コミケ申し込みました。

C96、新年号初のコミケにして、初の4日間開催という異例ずくしのコミケ、とりあえずInterdiceで申し込みました。


仮のサークルカット。毎年絵を入れたい入れたいと思いながら、熊の写真とかで日和ってしまうから、今年はちゃんと書こうと思っています。思ってるだけ。

新刊は、サークルカットの通り、「CoC 7th やってみた」の解釈間違い部分を正しながら全面的に増補改訂したものを作ろうと思います。副読本として、ルールブックのそばにおけるヘルパーみたいなものを目指したい。できるかなー?

前回のコミケでは結構いろんな刺激を受けたので、これまで以上にしっかりとやってみたいですな。

2019年1月22日火曜日

CoC 7版のもうひとつのルールブック: Investigator handbook

Call of Cthulhu7版には、Keeper rulebookの他にもうひとつのルールブックがあります。それがInverstigator handbookです。

https://www.chaosium.com/call-of-cthulhu-investigator-handbook-7th-ed-hardcover/

恥ずかしい話、購入してほとんど読んだことがなく、最近このブログのネタになるかなと読み始めたばかりです。
なぜ深く読んでこなかったか、理由は単純で、私がKP専だからです。
とはいえ、KPをする上でも探索者ができることを知っておくのは悪いことではないので、最近読んでいます。
実際、Keeper rulebookとの重複が多いので、Keeper〜の方を読んでおけばだいたい事足りるのですが、探索者の職業や、1920年代の世界について詳しく述べられているところもあるので、そういったシナリオを作る際の参考になるだけでなく、単純に読み物として面白いですね。
PDF版が2500円くらいで購入できるので、7版をやりたくて、でもStarterじゃあ物足りない!という人は買ってみてもいいかもしれません。

あ、冒頭のラブクラフトのお話は「ダンウィッチの怪」が載っていました。
原著で読むのも大変だけど、味があっていいですね。

2019年1月16日水曜日

メモ: CoC 7thの恐怖症01「Ablutophobia」(洗浄恐怖症)

Call of Cthulhu 7版で示されている恐怖症表から一つ選んで調べていくコーナー。
飽きたらやめます。
今日は"Ablutophobia" (洗浄恐怖症)です。いきなりわけわかんないの出てきたな。

あんまりまともなソースが出てこないのでWiktionaryから引用すると、「洗ったり風呂に入ったりすることへの病理学的な恐怖症」。特に明示されていないけど、「自分を」洗うことへの恐怖症のよう。子供の時に顔洗うのがいやだったりお風呂入るのが怖かったりする人もいたかもしれないけど、それが病的になるとAblutophobiaということか。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校の多分教育資料がヒットしたけど、洗浄恐怖症に限らず、恐怖症は不安障害の一側面として現れるようだ。厚労省のサイトを見ると、不安障害の下位分類として恐怖症がある。

不安を主症状とする、ということは洗浄恐怖症は「洗ったら垢だけじゃなくて毛とか皮膚とかいろんなものが落ちてしまう」とか「お風呂に入ったら溺れて窒息してしまうかも」という不安から来るのだろうか。医者や患者じゃないので想像しかできないけど。

ちなみにAblutophobiaという語が確認できた文章は1974年の下の文献が最古でした (google scholar調べ)。

Houdini, Merlin X. IV (1974) "Of Sex and Fear," Word Ways: Vol. 7 : Iss. 2 , Article 19.