2019年8月13日火曜日

コミケお疲れ様でした。

遅れましたが、コミケは無事に頒布終了しました。
きてくださったみなさんありがとうございます。

C97は見送って、C98に向けて色々やっていこうと思います。
それと同時に、Drivethruのライセンス取ってDL頒布チャレンジしてみたいですね。

2019年7月16日火曜日

C96新刊鋭意執筆中。やばい

今年もコミケに出ます。C96 1日目の南(!)ニ-28aに配置されました。
初めての南館を使用できるのはすごい幸運です。

C90かC91くらいに出したCoC 7thの紹介本の増補改訂版を新刊に予定しています。
前回出したものは3年経って、誤訳や誤解釈が多いと感じてきたからです。
内容を盛りだくさんに、サプリや公式シナリオの紹介もしようと予定しているのですが、正直あまりフォローできていないので今からだとしんどいかも……。
落ちない程度に頑張ろうと思います。ルルブのシナリオとフリーの公式シナリオくらいは紹介したい。

既刊はいつもの北海道シナリオ本、仙台シナリオ本です。全然在庫なかったのでちょっと刷ります。

2019年4月15日月曜日

”What's in the Celler?”(地下室には何がある?)翻訳完了

ChaosiumがCoC 7thの初心者のために作成したシンプルなシナリオ、"What's in the Celler?"を翻訳した。だいたい実働8時間くらい。
4人が推奨で、プレイアブルなキャラクターがすでに用意されている。プレイ時間は1時間だけど、初心者だけでやったらもうちょっとかかりそうな気がする。

内容は悪霊の家よりシンプルな探索のみシナリオ。探索初めて・ダイスロールやったことない人にはちょうどいいかもしれない。

Chaosiumシナリオなので、戦闘の難易度はえげつない。プレイ時間1時間の意味は、全員すぐ死ぬだろうから1時間なのかもしれない。私はこのシナリオ生き残れる気がしない。まあでもCoCってそういうものだから、笑って泣いていい死に様を残すというこのゲームのコンセプトには沿っているいいシナリオかも。

今回から翻訳支援にMemsourceを使い始めた。今までOmegaTを使っていたのだけど、分節化規則がうんこすぎて他のCATツールを探していた。Memsourceはブラウザベースで非常に使いやすい。今は無料プランでやっているけど、スポット的に月額課金してもいいかもしれない。

2019年4月10日水曜日

「目星」は目で見るものか?

始まり

こんなツイートがあった。



6版の「目星」は原語だとSpot Hiddenで、邦訳を見るとなんとなく目で見て気づくもののイメージがある。でも本当にそうだろうか?

本文をチェック

6版原語版をチェックすると、
This skill allows the user to spot a secret door or compartment,
notice a hidden intruder, find an inconspicuous clue,
recognize a repainted automobile, become aware of ambushers,
notice a bulging pocket, or anything similar. This is an important
skill in the game. (P74)
7版では、
 This skill allows the user to spot a secret door or compartment,
notice a hidden intruder, find an inconspicuous clue,
recognize a repainted automobile, become aware of ambushers,
notice a bulging pocket, or anything similar. This is an important
skill in the armory of an investigator. (P76)

で、指している事柄はほとんど変わらない。明らかでない証拠を発見したり、隠れている人に気づいたりとは書かれているが、明確に「目で見たもの」とは書かれていないようだ。この辺りは旧版新版で変化はない。となると怪しいのは日本語訳の方だ。エンターブレイン版を見ると、

 この技能を使えば、秘密のドアや小部屋を見つけたり、隠れている侵入者に気がついたり、人目につかない手がかりを見つけたり、…(後略、P84)
とあり、spotやfindが「見つける」という訳になっている。ここと「目星」という語感から、「目で見て見つける」ようなイメージがついたのかもしれない。

ではspot、findはどういう意味で書かれているのだろう?手元のOxfordで調べると、

Find
1. discover by chance or by searching. (偶然に、あるいは探して発見する)
2. recognize or discover to be present or to be the case. (存在しているものや事柄を認識する、あるいは発見する)
Spot
1. notice or recognize someone or something that is difficult to find or that you are searching for. (見つけたり探し当てるのが難しい人やものに気づく、あるいは認識する)
(訳はあんのん)
となっていた。ネットでも調べてみると、Findは一般的な意味の「探し当てる、見つける」。Spotは「たくさん物があったりして分かりづらい中から一つ特定のものを探し当てる」イメージのようだ。これらの語には特に「目で見て」という要素はないので、例えば「いろいろな匂いのする料理から血の匂いを嗅ぎ分ける」のもSpotと言えるかもしれない。同義語で検索すると"detect"や"distinguish"が出てくるあたり、おそらく正解に近いだろう。

結論

日本語訳がイケてない。

ちなみに


このツイートに応募されていた「看破」が個人的に気に入った。「見やぶる」でもいいかもしれないけど目星の目視感から脱却できてないのがアレ。


2019年2月26日火曜日

CoC 7thの公式無料シナリオ: Alone Against the Flames

CoC 7th用公式無料一人用シナリオのAlone Against the Flamesを翻訳中。
ゲームブック形式の一人用シナリオで、キャラクターも何も準備のない状態から話の中で徐々にキャラクターを構築し、ルールを覚えていくチュートリアル形式のシナリオです。
寂れた街からアーカムでの職を得た若者、バスに乗り向かうがそこへ待ち受けるものとは…。みたいなストーリー。

https://www.chaosium.com/content/FreePDFs/CoC/Adventures/CHA23145%20-%20Alone%20Against%20the%20Flames.pdf

PDF版は無料でダウンロードできます。

翻訳していて思うことは、進め方がすごく丁寧!
ゲームの中でキャラクターを作っていくというスタイルはコンピュータゲームではしばしばある形式だけど、TRPGでもあったんだなあ。おそらくこっちの方が先かな。
ウェンディゴの挑戦とかやったことないのですが、おそらく同系統かな。
こういう感じのわかりやすいシナリオを作ってみたいですな。

情景描写が詳しく、技術屋英語では見慣れない単語が多くて大変ですね…。

2019年2月20日水曜日

Boothのサイト作りました。

通販の要望があったので、Boothのサービスを使ってみることにしました。
やるって言ってから随分経ってしまった。

https://interdice.booth.pm/

骨格だけ作ったのでまだ途中です。
在庫は共同執筆者が送ってきてくれれば数を確認して上げます。
これに合わせてないやつは再販するつもりです(改訂予定の「CoC 7th やってみた」を除く)。
3月ぐらいには態勢整えますので、それまでお待ちいただければ幸い。
これをやっていても、メインは即売会での販売となると思います。

ついでに近況。
CoC 7th公式シナリオの翻訳に手をつけています。
無料でいくつか初心者(を殺すための)シナリオをChaosiumが公開しているので、軽くこなしてみるつもり…。

そういえばシナリオ翻訳勢はどういう翻訳支援アプリを使っているんだろう?OmegaTでゴリゴリやっているのに少し辟易してきた…。

2019年2月4日月曜日

コミケ申し込みました。

C96、新年号初のコミケにして、初の4日間開催という異例ずくしのコミケ、とりあえずInterdiceで申し込みました。


仮のサークルカット。毎年絵を入れたい入れたいと思いながら、熊の写真とかで日和ってしまうから、今年はちゃんと書こうと思っています。思ってるだけ。

新刊は、サークルカットの通り、「CoC 7th やってみた」の解釈間違い部分を正しながら全面的に増補改訂したものを作ろうと思います。副読本として、ルールブックのそばにおけるヘルパーみたいなものを目指したい。できるかなー?

前回のコミケでは結構いろんな刺激を受けたので、これまで以上にしっかりとやってみたいですな。

2019年1月22日火曜日

CoC 7版のもうひとつのルールブック: Investigator handbook

Call of Cthulhu7版には、Keeper rulebookの他にもうひとつのルールブックがあります。それがInverstigator handbookです。

https://www.chaosium.com/call-of-cthulhu-investigator-handbook-7th-ed-hardcover/

恥ずかしい話、購入してほとんど読んだことがなく、最近このブログのネタになるかなと読み始めたばかりです。
なぜ深く読んでこなかったか、理由は単純で、私がKP専だからです。
とはいえ、KPをする上でも探索者ができることを知っておくのは悪いことではないので、最近読んでいます。
実際、Keeper rulebookとの重複が多いので、Keeper〜の方を読んでおけばだいたい事足りるのですが、探索者の職業や、1920年代の世界について詳しく述べられているところもあるので、そういったシナリオを作る際の参考になるだけでなく、単純に読み物として面白いですね。
PDF版が2500円くらいで購入できるので、7版をやりたくて、でもStarterじゃあ物足りない!という人は買ってみてもいいかもしれません。

あ、冒頭のラブクラフトのお話は「ダンウィッチの怪」が載っていました。
原著で読むのも大変だけど、味があっていいですね。

2019年1月16日水曜日

メモ: CoC 7thの恐怖症01「Ablutophobia」(洗浄恐怖症)

Call of Cthulhu 7版で示されている恐怖症表から一つ選んで調べていくコーナー。
飽きたらやめます。
今日は"Ablutophobia" (洗浄恐怖症)です。いきなりわけわかんないの出てきたな。

あんまりまともなソースが出てこないのでWiktionaryから引用すると、「洗ったり風呂に入ったりすることへの病理学的な恐怖症」。特に明示されていないけど、「自分を」洗うことへの恐怖症のよう。子供の時に顔洗うのがいやだったりお風呂入るのが怖かったりする人もいたかもしれないけど、それが病的になるとAblutophobiaということか。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校の多分教育資料がヒットしたけど、洗浄恐怖症に限らず、恐怖症は不安障害の一側面として現れるようだ。厚労省のサイトを見ると、不安障害の下位分類として恐怖症がある。

不安を主症状とする、ということは洗浄恐怖症は「洗ったら垢だけじゃなくて毛とか皮膚とかいろんなものが落ちてしまう」とか「お風呂に入ったら溺れて窒息してしまうかも」という不安から来るのだろうか。医者や患者じゃないので想像しかできないけど。

ちなみにAblutophobiaという語が確認できた文章は1974年の下の文献が最古でした (google scholar調べ)。

Houdini, Merlin X. IV (1974) "Of Sex and Fear," Word Ways: Vol. 7 : Iss. 2 , Article 19. 

2019年1月15日火曜日

"Fighting Maneuver"をどう訳すべきか

CoC 7版で新しく導入された戦闘時の動作、"Fighting maneuver"。
簡単に言うと「直接ダメージを与える以外の全ての戦闘行動」を指すのだけど、ではこれを一言で訳すにはどうしたらいいのだろう?とぐだぐだ考えた。

定義

ネットを見ると、「格闘効果」と訳されている方を見かけた。なるほど効果、と思うけど、そうすると例えば下のFighting manueverの定義がうまく訳されない問題がある。

Fighting maneuverの定義は7版P105にある。

プレイヤーが、敵を武装解除したりノックアウトするといった、単に物理的なダメージを与える以外の目標を表現した場合、これはmaneuverで解決できる。これは誰かを脇へ押しやったり、相手を投げ飛ばしたり、羽交い締めにしたり、武装を解除したりといったことができる。(あんのん訳)

Maneuverの意味

maneuverというのは、特定の人がよく見聞きする言葉だと思う。フライトマニューバとか、コンバットマニューバとかいう言葉があり、後者は「戦闘機動」と訳出されたりする。機動……とはなんとも捉えようのない言葉。

手持ちのOxford English Dictionaryには、maneuverとは

  1. 能力や注意を要する単独の、あるいは一連の動作
  2. 慎重に練られた策動や行動
  3. 大規模な軍事行動

とある。上の定義のmaneuverは1番、あるいは2番の定義かな。「機動」は「部隊を迅速に展開して作戦を実行する」といった意味合いで、軍事的色彩が強い。先の「効果」はこれを嫌ったのかもしれない。でもmaneuver = 効果というのはちょっと違う気がする。効果は結果だけど、maneuverはその定義から動作(まだ結果はわからない)だから、動作的な名詞を当ててやりたいところ。

結論

色々考えたけど、「格闘戦術」とかがいいんじゃないかなあという結論に達した。戦術とすることで、何か工夫して目標を達成しようというニュアンスが出る。本来は戦術はtacticsになるけど、tacticの意味も「何かを達成しようとすることを意図した行動や計画」という意味で、fighting maneuverの定義と共通するところがある(fighting maneuverではきちんとした目標を持ってくださいね!とP101のコラムにしっかりと書いてある)。

でもなんかもっとぴったりくる言葉があるはずなんだよなあ!


2019年1月11日金曜日

Call of Cthulhu6版(クトゥルフ神話TRPG)のシナリオを7版で遊ぶために


Call of Cthulhu7版、遊んでますか?
まだ遊んでいない人の中には、ルールが大規模に変わったことから「今までのシナリオやキャラが使えなくなるやん!」と思う人もいるかもしれません。しかしケイオシアムはその辺をしっかりカバーしていまして、バーチャルコンソールで昔のゲームを遊べる3DS並みの手厚いサポートをしてくれています。
ルールブックP390に、シナリオやキャラクターを7版に対応させるための方法が記載されているのです。さらに、この部分はDriveThruRPGで無料ダウンロードできるのです!
もちろん英語で書いてあるので、下に簡単な解説を書いておきます。この付録は6版と7版の比較としてもわかりやすく、一度読んでみることをお勧めします。

探索者のステータスを対応させる

  • STR, DEX, CON, SIZ, APP, INT, POW, EDUの数値を5倍する。また、これらの数値を2で割って端数を切り捨て、1/2のHardロールをするときのために記録。
  • 幸運とHPはそのまま。
  • 端数の切り捨て、切り上げルールが過去版と異なるため、NPCやモンスターの数値が1異なる場合があるが、過去版のまま使用していい。
  • EDUが18以上の場合は表に従います(Table XVI参照)。
  • 加齢による数値の変更は特に戻さなくてもいい。
  • ダメージボーナスが-1D4、または-1D6の場合はそれぞれ-1, -2とする。
  • Buildと移動度を設定(7th P33参照)。
  • 技能値については基本的にそのままでいいが、次の点に注意。
    • 7版で存在しない技能を取得している場合は、割り当てた分をプールして、再度振りなおす。
    • いくつかの技能が統合されている(ライフルとショットガンなど)。この場合もどちらかを統合後の技能に適用し、もう一方を振りなおす。
  • 富裕度(信用度)は、過去版でもし裕福さの設定がある場合はそれをそのまま使用し、数値は気にしなくてもいい。そういったものがない場合は、探索者の懐に応じて設定。
  • 戦闘技能のうち、素手による戦闘技能は全て「戦闘(こぶし)」に統合されている。特に振りなおしなどはせず、KPはこれまでの技能を適切な場面で使用してかまわない(例えば地面に倒れている相手に対して足蹴りなど)。(振りなおしてもいいとは思う)
  • 6版から統合・分化した技能についてはP392に表でまとめられている。

NPCやモンスターなどへの対応

  • ステータスは探索者と同様5倍する。
  • 技能はほとんどがそのまま使えるが、もし使えない場合は適当な技能に置き換えて使う。
  • 戦闘技能については、そのキャラクターが持っているものすべてを統合してしまって、最も技能値が高いものを使用するといい。
    • 戦闘(こぶし)のみ例外。過去版の初期値が50%だったので、これを25%とする。
  • 攻撃方法については、KPの叙述で対応し、単にダメージを与える以外の攻撃をしたい場合は戦闘マニューバを使用する。
  • ダメージボーナスやMOVは変更しなくていい。

シナリオへの対応

  • 7版のアイデアロールは過去版と異なるため注意。7版では「INTロール(intelligence roll)」と「アイデアロール」に分かれている。
    • INTロールは、探索者が何か難しい謎解きをしようとするときに使う。
    • アイデアロールは、プレイヤーが探索中に詰まってしまった時に使用する。重大な手がかりを見失った時や、そもそも何したらいいかわからなくなっている時など。7版では、このロールの使用は抑制的であるべきとされている(そもそも明らかにわかる手がかりはロールなしでわかるようにすべきという思想)。
  • 技能値を+したりする措置は、5以下なら無視していい。7版ではボーナスダイスやペナルティダイスが使えて、ざっくり+20%, -20%の補正になる。ダイスの成功度を制限したりこういったボーナスダイス・ペナルティダイスを使うといい。また、プレイヤーは「Pushロール」も使える。
  • 対人技能(言いくるめ、説得など)に脅迫や魅了が加わっている。柔軟に選択して使用すればいい。
  • 能力値ロールをする場合は次に従う。
    • Extreme難易度のロールでは、能力値をそのまま使う。
    • Hard難易度のロールでは、能力値を2倍あるいは3倍して使う。
    • Regular難易度のロールでは、能力値を4〜6倍して使う。
    • 能力値を7倍あるいは8倍してロールすると、ボーナスダイス付きのRegular難易度ロールのように使える。
  • 対抗ロールはダイスの成功度を比較する(全記事参照)。
  • 毒の効力値(POT)は1〜9をMild、10〜19をStrong、20以上をLethalとして扱う。
  • 魔術書を読んだ時のクトゥルフ神話技能の上昇は、7版では初期クトゥルフ神話値と完全クトゥルフ神話値に分かれている。初期値は斜め読みした時の上昇値、完全値は深く読み込んだ時の値。この2つの値を計算するには、シナリオ中で出てくる魔術書を読んだ時のクトゥルフ神話技能上昇値を3で割り、端数切り捨てして初期値を計算し、さらにそれを元の値から引くことで完全値を得る。言葉で書くと全然わからんなこれ。
    • 例えば元の値が+11%の上昇の場合、初期上昇値が11/3で+3%(端数切り捨て)、完全上昇値が11-3で+8%となる。元の値の上昇値と合計値を合わせるところがポイント。

思ったよりやることが多かった。でも上のことに注意すれば、あなたの6版シナリオがモダンな7版シナリオに早変わり!さあ7版をプレイしよう!

2019年1月10日木曜日

Call of Cthulhu 7版の「対抗ロール」はどれくらい対抗できるのか計算した

はじめに

Call of Cthulhu7版で、対抗ロールのやり方が大きく変わった。6版までは抵抗表という数表を使って、能動側と受動側の能力値から算出される値を使ってロールをしていたが、今回からはお互い「ダイスロールの成功度」を比較して決める形式になった。
個人的には抵抗表をいちいち参照しなくてもよくなったのでとても嬉しい。しかしこのルールでは、抵抗表を見れば一目瞭然だった「能動側の成功確率」が隠蔽されているという見方もできる。
新しい対抗ロールは、どれくらい「対抗」できるのか。簡単に検証したい。
なお、計算に自信がないので、数学に自信のある方は是非ツッコミを入れてください。確率論は好きなんだけど苦手な分野なんです。

3行で

  • 7版の対抗ロールは簡単になったよ
  • ちょっと受動側が有利に?
  • 同じ能力値でも値によって確率は変わる


対抗ロールのおさらい

6版の対抗ロールは、「抵抗表」と呼ばれる数表(日本語版ルールブックP60)を見て、能動側と受動側の能力値が交わる所の数字で能動側がロールする。この数字は別にランダムで決まっているわけではなく、次の式で決まっているようだ。

能動側成功確率[%] = 50 + 能動側能力値×5 - 受動側能力値×5

このため、能動側の能力値が受動側を10以上上回っていた場合は自動成功、受動側が能動側を10以上上回っていた場合は自動失敗となる。また、能動側と受動側の能力値が等しい場合は、常に50%の確率となる。

一方で7版では、「ダイスロールの成功度」を比較する(P90)。ダイスの目の値が

  • 能力値以下:Regular成功
  • 能力値の半分以下:Hard成功
  • 能力値の1/5以下:Extreme成功

となって、下に行くほど成功度が高い。また、クリティカルとファンブルは下のように決まっていて、こちらの意味合いも6版と変わらない。

ダイスが1:クリティカル
能力値が50未満の時にダイスが96~100、あるいは能力値が50以上の時にダイスが100:ファンブル

ファンブルの決め方がこれまでと異なるところがポイントで、これによって確率が大きく変わっている。

7版の対抗ロールの例を出すと、例えば能動側がRegular成功、受動側が失敗だったらこれまで通り能動側の成功。能動側がRegular成功、受動側がHard成功だった場合は受動側の成功になる。6版と異なるのは、受動側もダイスを振るところ。まあこれまで振らなかったのがちょっと不思議なくらい。

抵抗表というものがなくなったし、能力値の割り算だけすればいいので簡単だが、この対抗ロールでの能動側の成功確率は一体いくらなんだろうか?下に各能力値での能動側の成功確率をグラフでまとめた。
6版の抵抗表は数字が斜めに直線的に並んでいたが、上のグラフを見ると、7版では少し湾曲している。真ん中の段差は、受動側の能力値が50以上になることによるファンブル値の減少が原因。各線のギザギザは計算の丸め誤差も含んでいるのであてにしないで欲しい。

どちらが有利か不利かはパッと見た感じわからないが、低い能力値での成功確率が極端に低いので、受動側に有利かもと感じた。

確率で6版とかなり違うところは、受動側と能力値が等しくても、確率が50%にはならないところ。例えばお互いの能力値が1しかないときは、能動側の成功確率はわずか7%。また、上のグラフがカーブしていることから、どうも能力値が高すぎてもいけないようだ。
下に能動側と受動側の能力値が同じ場合の能動側の成功確率をグラフにした。


面白いことに、能力値70くらいのところに成功確率が最大になる極値が存在しており、この範囲では38%の確率で成功する。ていうか38%しかないのか……。この辺りの計算は結構怪しいので、賢いお方是非レビューしてください。

終わりに

低能力値で低成功率だったり、能力値同じでも50%をはるかに下回る確率だったり、なんかかなり能動側に不利な感じがしてきた。これは、「同じ成功度なら受動側有利」という条件で計算しているためで、ルールブック中には「同じ成功度なら振り直し」ルールもある。こちらならやや能動側が有利になると思う。

検証のためのJupyter notebookをこちらにおいておくので、pythonわかる人は見てください。
あまりにも能動側が不利な気がしてすごく間違ってる気がしてきた。


2019年1月8日火曜日

ドメイン名が違っていたことに1年かけて気づく

なんてアホなんだ私は……。

このブログはInterdiceのブログなので、独自ドメインを試しにとって運用していた。自分は"interdice.org"を取得したと思っていたのに、今日これが"incterdice.org"であることに気づいた。なんだそのCは。

急いでドメインを取り直す。多分この投稿をしても、ドメインがDNSに浸透していないから、ほとんど顧みられることはないんだろうな。

旧ドメインであるc入りのやつは、自動更新を切っておくので9月には終了するはずです。

2019年1月7日月曜日

CoC 6版と7版の「信用度」の違い

はじめに

信用度は原著では"Credit Rating"と呼ばれ、CoC 6版では、相手に自分の話を説得力を持って聞かせたりするときに使用する技能だ。CoC 7版でもこれは存在するが、どちらかというと自分の社会的地位というより資金力のような描写が多かったため、過去に書いた「CoC 7thやってみた」では信用度とせずに「富裕度」と訳した。

最近、その判断が正しいのかどうか少し不安になってきた(=過去どう考えたか全く覚えていない)ので、CoC 6版と7版で、Credit Ratingの説明がどう変わっているのか比較したい。

3行で


  • 6版と7版の「信用度」の説明は大きく異なる
  • 7版を「富裕度」と訳したのは正直間違っていないと思いたい
  • Credit Ratingを使ってもっとえげつないプレイができるからみんな使おう


CoC 6版の説明

エンターブレイン版の和訳を引用すると、

狭い意味で言えば、探索者がどのくらい豊かで自信に満ちて見えるかということである。人の好意をあてにしなければならないときや、銀行や会社から金を借りたいようなときに使うことのできる技能だ。また厳しいチェックを通り抜けなければならない場合や、信用状のようなものが必要なのにハッタリで押し通さなければならないような場合にも使う。(79ページ)
 初期値としては15%が割り当てられている。人にはある程度基礎的な信用があるということだろうか。上の説明を見ると、自分の態度や行為に裏打ちされた「人を信じさせる」技能であることがわかる。ハッタリという言葉が出ていることからもわかる通り、ある意味では非言語的な「言いくるめ」技能だとも言えるかもしれない。
(上の訳、panhandleを『人の好意をあてにしなければならないとき』としていて、思わず唸ってしまった。『物乞いをする』という動詞をこんなに綺麗なイメージにできるなんて!)

CoC 7版の説明


グダグダ拙訳をすると下のようになった。

探索者がどのくらい裕福で、金銭的に自信があるように見えるかを示している。金は選択肢を広げる。もし探索者が目標に達するために自身の金銭状況を利用したいときは、このCredit Rating技能を使用するのが適切だろう。Credit Ratingは第一印象を測るために、APPの代わりに使用できる。
Credit Ratingは技能というよりは裕福さを測るもので、他のスキルのようにチェックされるべきではない。高いCredit Ratingはプレイ中では使い勝手のいいリソースとなるので、探索者を作成するときに技能ポイントで割り振られるべきだ。それぞれの職業はCredit Ratingの開始範囲があり、技能ポイントはCredit Ratingがその範囲に入るように使用されるといい。(61ページ)

初期値は0。金はないこともあるのだ。95ページにはさらに、Credit Ratingは日々の家計に影響するのか(しない)、許容範囲を超えた支出をするとどうなるのか、などの情報が書かれており、明らかに6版にあった「人間的な所作」から「金の力、そしてそれに裏打ちされた態度」に描写が変わっているのが分かる。46ページにはさらに、Credit Ratingごとにどういう生活状況になるのかが詳細に述べられている。これらは6版ではなかったところで、収入などは完全に技能とは独立して存在していたことからも、「信用」の意味するところがガラッと変わってしまった。

とはいえ、61ページの技能紹介の最後にある「対抗ロールでできること」を見ると、Regularで「銀行や会社から金を借りる」「信用状がいるところを素通りする」とあり、6版とやることはそこまで変わっていないとも読める。(とはいえHard成功では「中傷してくるマスコミから好意的な態度を得る」といった、あからさまに金の匂いがするやつもあるわけだが……)。

ここで気になるところとしては「良い第一印象を得るためにAPPの代わりに使える」というところで、「おいおいAPPはもう使えないのか!?」と思ってしまうところだが、APPの説明(31ページ)を見ると、「良い印象を得たり、他人とばったり会って話したりするときに有用だ」とあるのでそんなことはない様子。

まとめ

見てきたように、7版の「信用度」は、「信用」という語を使うことがはばかられるくらい「金」に寄った技能になった。まさに金持ち度である。(ケイオシアムの経営状態が反映されているのだろうか?)その金を使って色々なことができるようになり、プレイの幅は広がった(そしてKPの胃の穴も広がった)。逆にいろんなえげつないプレイングができてしまうため、KPは職業に応じて少し厳しめに上限を設定すべきだろう。設定上、50以上あれば「金持ち」であり、1920年代ならば何人も使用人を雇ったり、現代ならばファーストクラスを常用する人たちなのだ。技能説明でも「古代の遺跡を探索するために考古学者を中心とした調査チームを組む」ことが可能とかすごい事書いてあるし。

結論:君も札束でKPを殴ってルルイエを爆撃しよう!

2019年1月4日金曜日

Call of Cthulhu 7thをタダで手に入れるには(制限あり)

CoC 7thを遊ぶにあたって1番の難関は「ルールブックを手に入れること」だと3年布教活動をしてやっと気づきました。私は金の力でKickstarterで資金提供をした見返りにルルブを手に入れましたが、今だとChaosiumのサイトで購入したりと、ちょっとハードルも金額も高いかも。

ただ、簡易ルールであれば無料PDFがダウンロードできます。
Togetterでも数年前にまとめている方がいましたが、2019年版を下に紹介しておきます。

DriveThruRPGのサイトでは、CoC 7thのクイックスタートルールのPDFが無料でダウンロードできます。
こちらのURLにアクセスして、「ADD TO CART」ボタンを押すと、購入確認画面(0円なので購入というのもアレですが)に移ります。




0円になっていることを確認して「Checkout」を選択。アカウントがない場合は、アカウント作成画面が出てくるので、名前、メールアドレス、パスワードを記入してアカウントを作成します。特に決済情報の入力は必要ありません。


購入画面になるので、「Confirm Order」を選択すると、PDFのダウンロード画面に移ります。

「Download」を選択すると、目的のルールPDFがダウンロードできます。

このクイックスタートルールは、能力値のつけ方がダイスロールではなく固定値の振り分けになっているなど、7thのルールをかなり簡素化したものですが、それでも7thの遊び方を体験するには十分なものになっています。詳細については、すでに解説されているBlogがありますので、参考にされるといいでしょう。さあこれでみんなレッツ7th!

え、本当の7thルールブックが欲しい? 買いなさい。PDFなら3000円だから。

2019年1月3日木曜日

"Natural world"が博物学のことだと知るためにかかった2年を返して

"Natural world"

クトゥルフの呼び声第7版の技能欄に記載のあったこの技能の適切な訳を考えるのに2年を費やしてしまった……。
「CoC 7thやってみた」の執筆時、これがどうしてもわからなくて本文中でそのまま書いてしまう体たらく。
当時は「自然界ってなんだよこれ」と思って困り果てていた。

なんのことはない。「博物学」技能のことだったんだ。

そもそも説明文読めば「自然環境の中の動植物についての研究で、19世紀には生物学や植物学と行った学問に分かたれていった」と書かれていて、博物学を連想するべきだった。

いやでも「博物学」っていう訳語には不満もある。文章中には「Natural worldは伝統的で(非科学的な)知識や、アマチュアや趣味人たちの個人的な観察に基づいている」とか「Natural worldはそこまで正確なものとは言い難い」とか書いてあるものだから、「〜学」と名付けるのには抵抗がある。日本だと「博物学」って確かにアマチュアも参画できるイメージはあるけど、非正確で非科学的なというイメージはあまりない気がする。英語で博物学は"Natural history"だから、Natural worldには異なる訳語をつけるべきじゃなかろうか。
まあ候補はないんだけど。本草学にする?