2020年8月27日木曜日

CoC 7版の対抗ロール:双方が失敗する確率を計算して安心してKPできるようにする

 はじめに

CoC7版で導入された成功度比較式の新しい対抗ロール。これまで「対抗ロールって結局どれくらいで勝てるものなのか」という疑問から、カテゴリを作っちゃうくらいそこそこな記事を書いてきた。これまでわかったこととしては次のような感じ。
  • 能力値が相手より高いほど勝率は高いのは当然として、似た値でも少しでも高ければ10%近く勝率に差がつく
  • 「どちらも失敗・ファンブル」を「振り直し」とするか「失敗として特別に処理」とするかで勝率に大きな差が出てくる
さて、KPとしてはどちらも失敗ときに「振り直し」とするか「失敗として処理」するかは考え所。振り直しとすると処理は楽な反面、時間がかかると予想される。失敗として処理するのは、勝負が1回で済むから時間がかからない反面、失敗したときの場面を考えておかなければならない。
そこで2つの疑問が出てくる。
  • 失敗振り直しにすると、どれくらい振り直すことになるのか?
  • 失敗として処理にすると、どれくらいの確率で失敗を想定しなければならないのか?
この2点を計算しておかないと、KPは対抗ロールが怖くて怖くて夜も眠れないだろう。対抗ロールシリーズの最後としてKPのみなさんのためにこれらを検討しておきたい。

双方が失敗する確率

先ほどの疑問と順序が逆だけど、まず「どちらも失敗・ファンブルする確率」を計算しよう。
これは直観的に能力値が低い方が大きいことがわかる。能力値でプロットするとこんな感じ。

実際、能力値がお互い80を超えると失敗の確率は20%以下になる一方、10 以下になると90%を超えることもある。すべての能力値を考えた失敗確率の平均は25%。1/4で失敗の処理を考える必要がある。

でもちょっと待ってほしい。実際のセッションではそんなに高いだろうか?対抗ロールを行うときに使用する数値は大抵INTやSTRといった能力値だ。これは最低15、最高90なので、左下の90%という失敗確率を含むことはない。さらに、3D6の期待値は10.5、標準偏差は約3なので、(正規分布に近似して)95%信頼区間は4.5から16.5とさらに狭い範囲になる。能力値として5倍して22.5から82.5の範囲だけで失敗確率の平均を計算すると、約21.6%。大体1/5の確率で失敗することになる。

失敗振り直しの回数

双方失敗の確率を計算できたので、ここから振り直し回数を計算できる。失敗確率がpで、n回目までに決着がつく確率は$P(X <= n) = 1 - p^n$なので、これをもとに振り直し回数を計算すると下のような感じになった。

90%の確率で決着がつくまでの回数を計算した。これを見ると多くの場合で5回以下で決着がつくようだ。一方で、能力値がお互い20以下だと振り直し回数2桁が見えてくる。地獄か?

先ほどの失敗確率のように振り直し回数の期待値を求めると、全体で約2.2回、能力値の95%信頼区間内で約1.6回だった。これくらいなら怖がらなくても良さそうである。

まとめ

対抗ロールシリーズの最後として、振り直し地獄に陥る確率や、KPが失敗時の処理にウンウン悩む確率について考えた。振り直しの期待値が大体2回ということを考えると、私なら振り直しをメインに進行を考えてしまう。

でも最後はシナリオによってケースバイケース。ただのチェスの勝負でINTロールなら振り直しもわかるけど、グールとの力比べで振り直しなんて悠長なこと言ってられないし。そういう時はどちらも崖から落ちてもらいましょう。

2020年8月26日水曜日

はじめて「じっくり」図書館を使ってみた話

 図書館。

本を借りるところです。

しかし、図書館はそれだけが機能ではありません。図書館のもう一つの機能、それこそがリファレンスです。司書さんが、利用者の欲しい情報を一緒に探してくれたり、これはという書籍を紹介してくれたりします(雑解説)。

今回はじめて図書館のリファレンスを利用したので、記録がてら紹介したいと思います。

聞きたい情報を絞っておく

リファレンスを利用する前に「自分が一体何を知りたいのか」をきちんと言語化しておきます。これがないとカウンターの前であたふたして結局目的が果たされません。
私の場合は「1978年より前に、日本の論文・書籍で『マンカラ』というボードゲームについて言及しているものがないか知りたい」というように絞りました。1978年としたのは、この年にマンカラについて説明した増川宏一さんの「盤上遊戯」が出版されているからです。この際、1978年以後の文献はどうか、前とはいってもどれくらい前までかなどの補足情報もメモしてまとめておくと司書さんは助かる…かもしれません。過言かも。

図書館に行く

リファレンス機能は残念ながら全ての図書館にあるわけではありません。在住の静岡県では静岡・浜松の市立図書館、あとは県立図書館がやっています。一番近かったのは県立中央図書館だったので、バイクで1時間ほどかけて到着しました。
なお、メールで聞けたりもするので必ずしも訪問する必要はありません。でもせっかくだしね。

貸し出しカードを作る

リファレンスを利用するのに必ずしも必要ではないようですが、県立図書館では文献の複写に貸し出しカードが必要なので作っておきます。

リファレンスカウンターに尋ねる

コロナウイルス対策のためリファレンスカウンターには椅子がなく、司書のお姉さんを上から見下ろす形で質問する羽目になりました。少し目線を落としながら冒頭の質問をし、同時にこれまで調べてきたことについても簡単に触れます。
マンカラは国会図書館の検索でも「サラリー『マンから』」などがヒットするなどノイズが多く、お姉さんでも苦戦しているようでした。直接言及しているものはないものの、関連語で「ゲーム」「遊戯」などを検索して「遊戯大事典」という終戦直後の本を紹介してくれました。しかもちょうど県立図書館に蔵書しているとのこと。禁帯出なのでリファレンスカウンター目の前の机(ここも椅子なし)で調べてみます。とりあえずこれでリファレンスサービスは終わりかな?



……。これ、子供のやる「スポーツ」とか体を動かす遊びについての本で、ボードゲームとかは将棋すらないな。なぜかカロムはあったけど。


こういうこともあります。残念な顔でお姉さんのところに戻ると、なんとまだ調べてくださっていたようで、共同リファレンス事例DBにマンカラについて聞いた事例があるのを見つけてくださっていました。ありがてえ。
今回は「あるかもしれないけど見た限りではなさそう」という結論でいったんおしまいとなりました。「もしかしたら新聞とかは可能性あるかも」という司書さんのコメントもあったので、機会があったら調べてみたいですね。

こんなふうに、リファレンスでは自分が調べたいことを司書さんと一緒に調べることができます。ひとりで調べるとバイアスがあったり、心理的にも心細いことがあるので、他人の意見を無料で聞けるのはとてもいいサービスです。
県民税を納めている身ですから、今後も使い倒していこうと思います。

そんなことを帰りの東名で考えていると、唐突に自分の質問の回答を思い出しました。
「そういや、当の1978年の文献に「イエス時代の日常生活」に言及があるって書いてあったわ」
この本の出版が1964年だから、この本が日本でマンカラに言及した最初かも?

2020年8月25日火曜日

CoC 7版の対抗ロール成功確率を「きちんと」計算する

はじめに

CoC7版の対抗ロール成功確率をきちんと計算したいということは、前回の記事「CoC 7版の対抗ロール:「失敗」と「ファンブル」が出たときは?」 にも書いた。成功確率を計算するには、双方が「失敗」した時の扱いについてはっきりしておく必要があったので、前回記事で「失敗時は能力値比較」と「失敗時は振り直し」とした時の確率を比較し、失敗時は振り直し(あるいは、「双方失敗として処理」しても同様)とするのが良さそうという結論になった。

今回は、上の結果を踏まえて対抗ロール成功確率を計算したい。

おさらい

ルールブックP87と前回記事の結果から、プレイヤーA, Bが対抗ロールをした時の勝敗は次のようになる。

Aの成功度
ファンブル 失敗 レギュラー ハード エクストリーム クリティカル
Bの成功度 ファンブル 失敗 失敗 A A A A
失敗 失敗 失敗 A A A A
レギュラー B B 能力値比較 A A A
ハード B B B 能力値比較 A A
エクストリーム B B B B 能力値比較 A
クリティカル B B B B B 能力値比較

お互いの成功度を比較して、Aが勝利する組み合わせは「A」、Bが勝利する組み合わせは「B」、成功度が等しいためAとBの能力値を比較して勝敗を決める組み合わせは「能力値比較」と記した。ここで、双方が失敗したときに「失敗」としたが、失敗時の処理はルールブックには明記されておらず、大きく次のようなパターンで処理されると考える。

  1. 失敗時もあくまで成功度を比較して勝敗を決める(「失敗」は「ファンブル」に勝つ)
  2. 失敗時は振りなおしとする
  3. 失敗時は「双方負け」として別の処理をする
前回の記事では1番のパターンと2番のパターンを比較して、2番の方が良さそう(確率の差が能力値の差と近くなる)という話だった。3番は記事中では検討していないが、実質2番と似たような確率になるので、2番をやるには振りなおしの時間がもったいないというKPは3番のパターンを検討してみるといいかもしれない。
今回は、2番のパターンを前提として能力値と成功確率をプロットしてみる。
対抗ロールを行うプレイヤーを仮に「能動側」「受動側」と名付けて、能動側が勝利する確率をプロットした。これをみると、双方の能力値が等しいところが50%の成功率で、それより能動側の能力値が高いと確率が高く、能力値が低いと確率が低くなっている。能力値が高いところで40%, 50%, 60%の線が近接していることから、能力値が高いものどうしで対抗ロールをすると、少しの差が大きな確率の変化につながっているようだ。これは、両方が失敗して振り直しをする確率が低くなり、対抗ロールが一発勝負になる傾向にあるからか。

それではパターン3番の「振りなおしはせず双方負けとして処理」する時の勝利確率はどうだろうか。
$y = x$の線を境目に、左上領域はなだらかなカーブを、右下領域は直線的に等高線が引かれている。これ本当にあってるのか? とにかく、振り直す場合とは大きく確率が異なる。能動側の能力値が受動側より大きくなると、成功度が等しくても勝利する判定になるので、$y = x$の線を境目に確率がグンと良くなるのがわかる。

まとめ

失敗時ロール振りなおしを行った時の対抗ロールの確率について計算した。詳しい計算過程は下のGistにJupyter notebookでまとめたので、もし間違いなどを見つけたら教えていただければとても嬉しい。


2020年8月24日月曜日

Call of Cthulhu 7版の対抗ロール:「失敗」と「ファンブル」が出たときはどうすればいいのか?

はじめに 

去年、同人誌のネタ用に「Call of Cthulhu 7版の「対抗ロール」はどれくらい対抗できるのか計算した」という記事を書いた。6版の対抗ロールと異なり、7版の対抗ロールは確率がパッと分かりにくいので雑に計算したのだが、後から見返してみると「引き分けの時は受動側有利」と勘違いしていたり(実際は引き分けとするかやり直し)、考察も今見ると浅くて再計算する必要があるように感じた。
そこで、今回は「「失敗」と「ファンブル」が出たとき」に注目して、どのような処理を行うのが良さそうか、今後の確率計算のために検討したい。

まとめ

両方とも失敗した時は「おそらく」振り直しとするか引き分け(あるいは双方失敗として処理)にしといた方が確率的に無難。あとはダイスを振る時間との兼ね合いになると思われる。

対抗ロールの要件

まずは対抗ロールのやり方について復習する。対抗ロールは日本語版ルールブックP87に記載がある。

  • 2人(PC同士、あるいはPCとNPC)で適当な能力値を提示し、それを基準に1d100ロールを行う。
  • お互いの成功度を比較する。
    • 成功度はクリティカル>エクストリーム>ハード>レギュラー>失敗、ファンブルの順に高い。
    • 成功度が高い方が対抗ロールに勝つ。
成功度が引き分けだった場合は能力値が高い方が勝利する。能力値も同じだった場合の処理は色々あるが、ここでは確率をきちんと求める都合上「決着がつくまで振り直し」としたい。
ここで、「失敗」と「ファンブル」が出たときの記載はルールブックにはない。単に成功度を比較するという文面では「失敗」が出た方がロールに勝つとも読み取れる。実は前回の記事はここで失敗側がロールに勝利する設定になっている。この条件の処理はKPによって変わってくると思うが、どのようにすべきなのだろうか。これが今回の疑問点である。

成功度と確率

各成功度は能力値を $s$ とすると次のような確率に従う。
  • クリティカル: $P(Critical) = \dfrac{1}{100}$
  • エクストリーム: $P(Extream) =\dfrac{\lfloor \dfrac{s}{5} \rfloor - 1}{100}$
  • ハード: $P(Hard) =\dfrac{\lfloor \dfrac{s}{2} \rfloor - \lfloor \dfrac{s}{5} \rfloor}{100}$
  • レギュラー: $P(Regular) =\dfrac{s - \lfloor \dfrac{s}{2} \rfloor}{100}$
  • 失敗: $P(Fail) = 1 - \dfrac{s}{100} - P(Fumble)$
  • ファンブル$P(Fumble) = \cases{\dfrac{1}{100} & \text{if } s \ge 50 \cr \dfrac{5}{100} & \text{if } s \lt 50}$
これらをそれぞれ(ノン)プレイヤーA, Bの能力値 $s_A$, $s_B$ について計算し、成功度の組み合わせ全ての確率を求めればいい……と式で書いても分かりにくい。ここで成功度に立ち戻って、Aの成功率を考えたときにどの成功度なら勝利するか考えてみよう。

A, Bそれぞれの成功度と、どちらが勝利するかの組み合わせは次のようになる。

Aの成功度
ファンブル 失敗 レギュラー ハード エクストリーム クリティカル
Bの成功度 ファンブル ? A? A A A A
失敗 B? ? A A A A
レギュラー B B ? A A A
ハード B B B ? A A
エクストリーム B B B B ? A
クリティカル B B B B B ?

AとあるのはAが勝利する組み合わせ、BとあるのはBが勝利する組み合わせで、?は成功度が等しいため能力値で勝敗が決まる。

ここで、「失敗」対「ファンブル」について、単に成功度が高い方が勝利、という単純な案を考えてみよう。
例として、$s_A = 45$, $s_B = 55$ の時の成功率について考えてみる。各マスの確率は次のようになる。

Aの成功度 (能力値45)
ファンブル 失敗 レギュラー ハード エクストリーム クリティカル
確率 5/100 50/100 23/100 13/100 8/100 1/100
Bの成功度
(能力値55)
ファンブル 1/100 5/10000 50/10000 23/10000 13/10000 8/10000 1/10000
失敗 44/100 220/10000 2200/10000 1012/10000 572/10000 352/10000 44/10000
レギュラー 28/100 140/10000 1400/10000 644/10000 364/10000 224/10000 28/10000
ハード 16/100 80/10000 800/10000 368/10000 208/10000 128/10000 16/10000
エクストリーム 10/100 50/10000 500/10000 230/10000 130/10000 80/10000 10/10000
クリティカル 1/100 5/10000 50/10000 23/10000 13/10000 8/10000 1/10000

成功度が同じ場合、Bの能力値の方が高いのでBの勝利となる。そのため能力値は10のみの差でも、確率に大きな違いが生じる。
Aが成功する確率は $P(A) = 0.2845$、Bが成功する確率は$P(B) = 0.7155$で、約44%の差がある。このうち「失敗」と「ファンブル」の組み合わせは0.2475で、うち0.2425がBの勝利という判定になる。

ここで、例えば「『失敗』『ファンブル』の組み合わせは振り直し」とすると、1回目の対抗ロールで勝利する確率は、それぞれ$P(A) = 0.2795$、Bが成功する確率は$P(B) = 0.4730$となり、先ほどの大きな確率の差がだいぶん緩和された。残りの確率0.2475で振り直しとなる。
2回目以降の対抗ロールも同様な確率で推移すると仮定すると、無限等比数列の極限を考えれば、最終的な確率は$P(A) = \dfrac{0.2795}{1-0.2475} = 0.3714$、$P(B) = \dfrac{0.4730}{1-0.2475} = 0.6286$となる。このような処理にすると成功率の差はおよそ36%となり、先ほどよりやや緩和された。

この「失敗時もあくまで成功度に従って判断」と「両失敗時は振り直し」というキーパリングの差は、お互いの能力値が低いほど顕著になっていく。例えば、極端に$s_A = 1$, $s_B = 2$という組み合わせを考えると、両方とも失敗あるいはファンブルする確率は 0.9702とほぼ100%近いのにもかかわらず、Bの方が能力値が高いため、$P(A) = 0.0569$、$P(B) = 0.9431$となってしまう。一方で、失敗時振り直しとすると$P(A) = \dfrac{0.0099}{1-0.9702} = 0.3322$、$P(B) = \dfrac{0.0199}{1-0.9702} = 0.6678$となり、能力値の比と確率の比が近くなる。

以上のことから、「お互い失敗時は引き分けとするか振り直し」とするのが良さそうだと結論した。ただ、振り直しすると能力値によっては試行回数が嵩む時があるので、その辺りを注意して柔軟に対応していった方が良さそうだ。

2020年8月19日水曜日

日本国内のマンカラ関連文献個人的まとめ

 マンカラ本のやる気が意外にも続いているので、とりあえず日本語でマンカラについて言及している文献を古い方から漁ってみようと考えました。調べた限り見つけたものをまとめています。

また、検索でだけ引っかかってまだ中身を見られていないものもあります。

  • 増川宏一, "ものと人間の文化史 29・盤上遊戯", 152-158, 1978.
    • 増川さんはかなり長期にわたって遊びについて研究されている大家。将棋が主領域のようだけど、それだけでなく世界の遊びを広範囲に網羅していてその執念に圧倒される。
  • 日本レクリエーション協会, "盤上遊戯 - 十六むさし マンカラ 福笑い", レクリエーション=Rec (351), 20-22, 1990.
    • おそらく遊び方の紹介記事?日本レクリエーション協会は現在販売しているマンカラボードの監修などを行なっており、マンカラの普及に昔から力を入れている様子。
  • 大林太良岸野雄三寒川恒夫山下晋司 編, "民雑遊戯大事典", 多数, 1998.
    • 図書館で確認した限りではかなり多数の著者が言及している。「1830年代にシリアでマンカラをしている姿が見かけられた」と言及していたけどどこの論文にあるんだろう?
  • 増川宏一, "ものと人間の文化史 134・遊戯 その歴史と研究の歩み", p.p.60など多数, 2006.
  • 増川宏一, "盤上遊戯の起源と古代の遊戯盤", シミュレーション&ゲーミング, 25(2), 85-92, 2012.
    • この論文は石に彫られたマンカラボードの論文を引用していてかなり役に立ちそう。
あとは日本語論文がいくつかあるようですが、ゲームとしての解析が主のようですね。この分野は英語論文探した方が早そう(と思って以前見かけた4,6Karahの解析論文探したけど見つけられなかった…)

とりあえず1日だけの調査なのでもっとあったら追記します。1980年代後半にゲーム雑誌のムックで紹介があったという情報があるので確認しています。

2020年8月17日月曜日

マンカラ本をまた書き始める

 先日北海道から船で居住地に戻ったのですが、その行程中あまりにも時間を持て余していたので、以前から書こうと思っていたマンカラの同人誌原稿に手をつけ始めました。

マンカラはアフリカや中東、東南アジアで広く遊ばれている世界でも最古級のボードゲームです。日本でもボードゲームブーム以前から知育遊戯として30年近く遊ばれているようです。最近では任天堂の「世界のアソビ大全」でもマンカラ(カラハ)が収載されて、プレイ人口が増えていると思われます。

一方で、マンカラの歴史はあまりよくわかっていないところが多く、欧米世界でも1894年にCulinが紹介したことが最初期の事例で、それ以前は判然としません。また、日本での広がりもよくわかっていません。調べた限りでは日本レクリエーション協会が、1994年に部内紙で取り上げたことがあるようですが、個人的にはもっと昔の文献があるのではと思っています。日本語のマンカラ文献は、主にゲームの紹介や数学的な解析が散発的にあるだけのようです。

アブストラクトゲーム博物館さんでも紹介がありますが、海外文献ほど詳細ではありませんでした。

ということで、マンカラについて日本語で調べたことをまとめておくのは有意義であろうかと思っているわけです。とりあえずCulinの論文やThe complete mancala games bookを通読しながら、概説のようなものをまとめようかと思っています。

いつできるかはわかりません。とりあえず下のような項目をまとめたいと思っています。

  • マンカラの概説
  • マンカラの歴史(発見史というべきか)
  • 日本のマンカラの展開と浸透
  • マンカラのルール
  • マンカラのバリエーション
  • マンカラの戦略
  • etc


なお、次回のゲームマーケットはこれではなく、CoC 7th岡山シナリオ本にするつもりです。がんばります。