2019年1月7日月曜日

CoC 6版と7版の「信用度」の違い

はじめに

信用度は原著では"Credit Rating"と呼ばれ、CoC 6版では、相手に自分の話を説得力を持って聞かせたりするときに使用する技能だ。CoC 7版でもこれは存在するが、どちらかというと自分の社会的地位というより資金力のような描写が多かったため、過去に書いた「CoC 7thやってみた」では信用度とせずに「富裕度」と訳した。

最近、その判断が正しいのかどうか少し不安になってきた(=過去どう考えたか全く覚えていない)ので、CoC 6版と7版で、Credit Ratingの説明がどう変わっているのか比較したい。

3行で


  • 6版と7版の「信用度」の説明は大きく異なる
  • 7版を「富裕度」と訳したのは正直間違っていないと思いたい
  • Credit Ratingを使ってもっとえげつないプレイができるからみんな使おう


CoC 6版の説明

エンターブレイン版の和訳を引用すると、

狭い意味で言えば、探索者がどのくらい豊かで自信に満ちて見えるかということである。人の好意をあてにしなければならないときや、銀行や会社から金を借りたいようなときに使うことのできる技能だ。また厳しいチェックを通り抜けなければならない場合や、信用状のようなものが必要なのにハッタリで押し通さなければならないような場合にも使う。(79ページ)
 初期値としては15%が割り当てられている。人にはある程度基礎的な信用があるということだろうか。上の説明を見ると、自分の態度や行為に裏打ちされた「人を信じさせる」技能であることがわかる。ハッタリという言葉が出ていることからもわかる通り、ある意味では非言語的な「言いくるめ」技能だとも言えるかもしれない。
(上の訳、panhandleを『人の好意をあてにしなければならないとき』としていて、思わず唸ってしまった。『物乞いをする』という動詞をこんなに綺麗なイメージにできるなんて!)

CoC 7版の説明


グダグダ拙訳をすると下のようになった。

探索者がどのくらい裕福で、金銭的に自信があるように見えるかを示している。金は選択肢を広げる。もし探索者が目標に達するために自身の金銭状況を利用したいときは、このCredit Rating技能を使用するのが適切だろう。Credit Ratingは第一印象を測るために、APPの代わりに使用できる。
Credit Ratingは技能というよりは裕福さを測るもので、他のスキルのようにチェックされるべきではない。高いCredit Ratingはプレイ中では使い勝手のいいリソースとなるので、探索者を作成するときに技能ポイントで割り振られるべきだ。それぞれの職業はCredit Ratingの開始範囲があり、技能ポイントはCredit Ratingがその範囲に入るように使用されるといい。(61ページ)

初期値は0。金はないこともあるのだ。95ページにはさらに、Credit Ratingは日々の家計に影響するのか(しない)、許容範囲を超えた支出をするとどうなるのか、などの情報が書かれており、明らかに6版にあった「人間的な所作」から「金の力、そしてそれに裏打ちされた態度」に描写が変わっているのが分かる。46ページにはさらに、Credit Ratingごとにどういう生活状況になるのかが詳細に述べられている。これらは6版ではなかったところで、収入などは完全に技能とは独立して存在していたことからも、「信用」の意味するところがガラッと変わってしまった。

とはいえ、61ページの技能紹介の最後にある「対抗ロールでできること」を見ると、Regularで「銀行や会社から金を借りる」「信用状がいるところを素通りする」とあり、6版とやることはそこまで変わっていないとも読める。(とはいえHard成功では「中傷してくるマスコミから好意的な態度を得る」といった、あからさまに金の匂いがするやつもあるわけだが……)。

ここで気になるところとしては「良い第一印象を得るためにAPPの代わりに使える」というところで、「おいおいAPPはもう使えないのか!?」と思ってしまうところだが、APPの説明(31ページ)を見ると、「良い印象を得たり、他人とばったり会って話したりするときに有用だ」とあるのでそんなことはない様子。

まとめ

見てきたように、7版の「信用度」は、「信用」という語を使うことがはばかられるくらい「金」に寄った技能になった。まさに金持ち度である。(ケイオシアムの経営状態が反映されているのだろうか?)その金を使って色々なことができるようになり、プレイの幅は広がった(そしてKPの胃の穴も広がった)。逆にいろんなえげつないプレイングができてしまうため、KPは職業に応じて少し厳しめに上限を設定すべきだろう。設定上、50以上あれば「金持ち」であり、1920年代ならば何人も使用人を雇ったり、現代ならばファーストクラスを常用する人たちなのだ。技能説明でも「古代の遺跡を探索するために考古学者を中心とした調査チームを組む」ことが可能とかすごい事書いてあるし。

結論:君も札束でKPを殴ってルルイエを爆撃しよう!

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