2020年10月1日木曜日

Delta Green : Need To Knowを読む

 以前、Twitterで知り合った方から面白いCoCサプリメントとして「Delta Green」というものを教えてもらった。調べてみると、今はCoCから独立して単独のルールブックを発売している。CoC 6thを下敷きに神話生物とバチボコ闘う秘密結社もので、CoCブームかつSCP人気の日本なら結構流行りそうな感じ。記事を書こう書こうと思って書きかけのまま放置していたので、ゲムマ原稿からの逃避で紹介したい。

 

今回は無料版のルールブックである「Delta Green : Need To Know」の話。DriveThruのサイトで言い値形式(0ドルからいくらでも値付け可能)でダウンロードできる。CoC 7thであったクイックスタートルールのような感じで、これだけでDelta Greenのシナリオを簡易に遊ぶことができる。

Delta Greenというのはこのシステム内に存在する特殊部隊の名前で、1942年にナチスのオカルト戦略に対抗するために結成されたものだ。数々の隠密作戦に投入されたが、戦後は政府非公認組織になって内紛を起こし、現在も分派している…という設定。プレイヤーはそこのエージェントとなり、国民の知らぬところでオカルトめいた陰謀や神話生物との戦いに身を投じていく。アメリカ発のTRPGなのでアメリカの組織だが、日本国内の特殊部隊を作ってしまえば遊ぶのに問題はないと思う(し、どうせ日本でアメリカの兵隊が好き勝手しても誰も文句言わないだろう)。


基本的なシステムはCoC 6thとあまり変わらないが、スキルに「ヒューミント」「シギント」といった諜報系のものがあったり、EDUがCHA(カリスマ)になってたりと全体的に軍事的な雰囲気が漂っている。戦闘のシステムはもちろん充実している(特に銃火器)が、それ以上に詳細に書かれているのが「どうやって正気を失っていくか、正気を保つためにどんな犠牲があるか」という点。

キャラクターは「破滅点」を持っていて、その点数よりSANが下回れば精神に支障をきたしてしまう。面白いのが、このSAN減少を軽減する手立てが2つ存在しているところ。1つが「他者との関係の摩滅」で、家族や恋人との繋がりを示す値を減らすことでその分SAN減少を防ぐことができる。「任務で精神的な余裕が失われて、家族に辛く当たってしまう」ようなシチュエーションが数字に反映される。

もう1つが「適応」で、破滅点に至らずに特定の事象(例えば暴力的な出来事でのSAN減少)を繰り返し身に受けることで、その種の出来事でSANが減少することがなくなる。(なんかシェルショックの兵隊を思い出した)その代わり、能力値が減るなどの悪影響が発生する。

 このあたりのシステムは、海外アクション映画とかであるような、特殊部隊出身の人間が戦いに身を投じていく中で人間性を失い、周囲から理解されなくなっていく孤独感がひしひしと伝わってきて個人的にとてもよい。なんか本家CoCより狂気に至る過程が丁寧に描写できるんじゃないかという気すらしてくる。

公式に存在しない特殊部隊といい、だんだん狂気に飲まれていくエージェントといい、ちょっと改造すれば「SCP財団TRPG」にできてしまいそうである。あれもアメリカ発だしアメリカ人こういうシチュ好きなのか?

 

長々と書いてしまったが、以上のところまでは無料で手に入るので、英語大丈夫兄貴姉貴たちは是非とも遊んでみるといいと思う。遊びたい。

私は駿河屋でKickstarter版のハードカバーを手に入れたので、原稿詰まったらこれを読んで一人妄想にふけることにしたい。

2020年9月17日木曜日

むかーしむかしの同人誌を電子化してアップロードした

先日もそんな話をしていましたが、試験的に「試される大地」(Interdiceの一番最初の本です)を電子化しました。

こちらのサイト(https://docs.interdice.org) にアップロードしてあります。何か問題あったら消えますのでまあその時はその時で。

作るにあたっては下のような流れでやりました。

先日も記事で書きましたが、うちは原稿のほとんどをMarkdownで書いてるので、それをAsciidocに書き換えてHonkit(旧gitbook v1)形式でまとめておきました。これをうちのサークルのGitリモートリポジトリにPushしたらNetlifyに自動デプロイできるように設定してあります。

最近Netlify流行ってんなあと思い少し触ってみたら結構簡単にデプロイできてしまったので、この勢いで公開しちゃいました。

うちで書いたまとまった文章はシナリオに限らずここに上げていこうと思っています。

2020年9月14日月曜日

昔の同人誌を電子化して無料公開するようにしたい

 ただいま絶賛ゲームマーケット原稿中ですが、休み休み別の作業もしています。そのうちの一つが過去同人誌の電子化です。とりあえず「試される大地」の1巻目を公開できるように準備しています。

PDFで公開するのが一番楽なのですが、全文検索や、二次利用(そんなのあればだけど)を考慮して、Asciidocでマークアップし直してGitbookで公開する予定です。

元々うちの同人誌はほとんど全てがMarkdownで書かれており、その後版組担当のルゥくんが上手に本にしてくれるというフローなのですが、この「試される大地1」は完成原稿がPDFでしか存在していないため、テキストに戻すのがやや大変です。ですが後々2以降を電子化などする際にはこういった形の公開がいいだろうと思ってやっています。

IT関連ではGitbookでドキュメントを公開するというのはたまにありますが、TRPG関連だとあまりないかもしれません。というか電子でシナリオを公開しているところすらあまり見ません(CoCのWikiにはいくつかあるのは知っていますが…)。そういうホスティングサイトあったら使ってみたいですね。


あと全く別件ですが、Stewart Culinのマンカラ論文を個人的に翻訳しています。Culin氏が亡くなってから70年経過していて著作権が切れているので、問題なさそうならこちらも公開して、マンカラ史を知ってる人、知りたい人の助けになればと思います(まあ稚拙な訳ですが)。

2020年9月1日火曜日

マンカラはいつから日本に来たのか

 マンカラ本の原稿を書いているのですが、「マンカラが日本にやって来て受容・普及していった過程」がまとまった文章を誰も書いていないことに気づきました。まだ簡単に調べただけで確実なことは言えないものの、断片的な資料からおぼろげなマンカラ発展史が見えてきた感じがします。備忘ついでに今の所の考えをまとめておきます。


1694: Thomas HydeのHistoria Shahiludiiでマンカラが紹介され、この手の石取りゲームに"mancala"の語が充てられる。

1894: Stewart Culinによるマンカラ論文。欧米世界で「改めて」マンカラの存在が認知された(Culinがマンカラを見たのがNYであるように、移民によって既にヨーロッパ世界では遊ばれていたと思われる)。

-1950ごろまで: ウォータールー大学のサイトを見ると、この頃まで特定の地域のマンカラについて紹介する論文が書かれている様子。

1944: William Julis Champion Jr. がKalaha(現在もっとも遊ばれているマンカラのルール)を開発。(1952年に特許が出てるらしいけど確認中)

1964: ダニエル・ロプス「イエス時代の日常生活」が邦訳され、その中にマンカラについての記載がある(らしい、増川宏一「盤上遊戯」から。まだ未確認)。今の所マンカラについて遡れる一番古い日本語文献?

1978: 増川宏一「盤上遊戯」でマンカラ紹介。民俗学の文脈を離れて、純粋にゲームについて紹介したおそらく初めての日本語文献?Dakonのルールについて紹介している。

1985: 朝日新聞10月17日夕刊でマンカラについて言及。ボードゲームサークルの紹介で、遊んだゲームの中にあった。この頃既にボードゲームに詳しい人は遊んでいた様子。サークルの主催は「菊池忠昭」さんとあるけど、団龍彦さん?まさかね……。→追記:まだ残っているボードゲームサークルのサイトによると団龍彦さんで合っているようだった。てかこのサークル、ゲムマの創始者草場純さんのところじゃん!記事冒頭の名前表記がつぶれてよく読めなかったけど確かに書いてある…。草場さんはアブストラクトゲームや伝統ゲームをよく収集されているというから、この時期にマンカラを遊んでいるのはまだ日本にあまりマンカラが浸透していないという傍証、か?直接聞ければいいけど……。

1980年代後半: 未確認資料だけど、この頃すぎやまこういちさんがマンカラをゲーム雑誌で紹介していた、らしい。

1990-1995: 日本レクリエーション協会の会報誌「レクリエーション=Rec」でマンカラの遊び方を紹介。この協会は(前にも言ったけど)マンカラをレクリエーションの一環として普及させる活動をしている。今はカラハを主に遊んでいるようだけど、この頃のルールはWariを紹介している。

2000年代後半: いくつかの新聞で「子供会などでマンカラを楽しむ」記事が掲載されていて、この頃までに相当程度普及しているのがわかる。朝日新聞2008年5月27日朝刊ではマンカラの解説とカラハのルールが記載してあるので、この頃はもうカラハがメインなのだろう。マンカラの解説は日本レクリエーション協会の解説と似ているので、おそらくそこからの引用かな。

2011: この頃から日本レクリエーション協会でマンカラの用具開発などを行っていると書いてある。でもこの頃より前から地道にやっていたんじゃないかな?


こうまとめて見ると色々とミッシングリンクがあるのがわかる。

  • 1964年、あるいは1978年以前のマンカラを紹介した日本語資料は本当にないのか?Culinの紹介とかはどこかの学会誌に載ってもおかしくないような気がする。
  • 1970-80年代からマンカラが遊ばれている様子。この辺りの資料は乏しい。
  • 1990年代後半から2000年代前半にかけての資料はない。しかし2000年代後半には既に児童館や子供の集まるコミュニティには普及していたようなので、この10年間に相当程度の普及があったはず。日本レクリエーション協会の貢献はあったろうけど、ではカラハのルールがどのように普及していったのか。
まあ、この辺りの歴史の話は本にがっつり書くわけじゃないのでいいのだけど、どこか気になるところではあります。遊戯史学会がまだあれば色々お話を聞けたのかもしれないな、と思いながら、しこしこと資料集めに勤しむのでありました。

てかまだ英語資料や論文も全部読めていないんだった。そっちが先だ。

2020年8月27日木曜日

CoC 7版の対抗ロール:双方が失敗する確率を計算して安心してKPできるようにする

 はじめに

CoC7版で導入された成功度比較式の新しい対抗ロール。これまで「対抗ロールって結局どれくらいで勝てるものなのか」という疑問から、カテゴリを作っちゃうくらいそこそこな記事を書いてきた。これまでわかったこととしては次のような感じ。
  • 能力値が相手より高いほど勝率は高いのは当然として、似た値でも少しでも高ければ10%近く勝率に差がつく
  • 「どちらも失敗・ファンブル」を「振り直し」とするか「失敗として特別に処理」とするかで勝率に大きな差が出てくる
さて、KPとしてはどちらも失敗ときに「振り直し」とするか「失敗として処理」するかは考え所。振り直しとすると処理は楽な反面、時間がかかると予想される。失敗として処理するのは、勝負が1回で済むから時間がかからない反面、失敗したときの場面を考えておかなければならない。
そこで2つの疑問が出てくる。
  • 失敗振り直しにすると、どれくらい振り直すことになるのか?
  • 失敗として処理にすると、どれくらいの確率で失敗を想定しなければならないのか?
この2点を計算しておかないと、KPは対抗ロールが怖くて怖くて夜も眠れないだろう。対抗ロールシリーズの最後としてKPのみなさんのためにこれらを検討しておきたい。

双方が失敗する確率

先ほどの疑問と順序が逆だけど、まず「どちらも失敗・ファンブルする確率」を計算しよう。
これは直観的に能力値が低い方が大きいことがわかる。能力値でプロットするとこんな感じ。

実際、能力値がお互い80を超えると失敗の確率は20%以下になる一方、10 以下になると90%を超えることもある。すべての能力値を考えた失敗確率の平均は25%。1/4で失敗の処理を考える必要がある。

でもちょっと待ってほしい。実際のセッションではそんなに高いだろうか?対抗ロールを行うときに使用する数値は大抵INTやSTRといった能力値だ。これは最低15、最高90なので、左下の90%という失敗確率を含むことはない。さらに、3D6の期待値は10.5、標準偏差は約3なので、(正規分布に近似して)95%信頼区間は4.5から16.5とさらに狭い範囲になる。能力値として5倍して22.5から82.5の範囲だけで失敗確率の平均を計算すると、約21.6%。大体1/5の確率で失敗することになる。

失敗振り直しの回数

双方失敗の確率を計算できたので、ここから振り直し回数を計算できる。失敗確率がpで、n回目までに決着がつく確率は$P(X <= n) = 1 - p^n$なので、これをもとに振り直し回数を計算すると下のような感じになった。

90%の確率で決着がつくまでの回数を計算した。これを見ると多くの場合で5回以下で決着がつくようだ。一方で、能力値がお互い20以下だと振り直し回数2桁が見えてくる。地獄か?

先ほどの失敗確率のように振り直し回数の期待値を求めると、全体で約2.2回、能力値の95%信頼区間内で約1.6回だった。これくらいなら怖がらなくても良さそうである。

まとめ

対抗ロールシリーズの最後として、振り直し地獄に陥る確率や、KPが失敗時の処理にウンウン悩む確率について考えた。振り直しの期待値が大体2回ということを考えると、私なら振り直しをメインに進行を考えてしまう。

でも最後はシナリオによってケースバイケース。ただのチェスの勝負でINTロールなら振り直しもわかるけど、グールとの力比べで振り直しなんて悠長なこと言ってられないし。そういう時はどちらも崖から落ちてもらいましょう。

2020年8月26日水曜日

はじめて「じっくり」図書館を使ってみた話

 図書館。

本を借りるところです。

しかし、図書館はそれだけが機能ではありません。図書館のもう一つの機能、それこそがリファレンスです。司書さんが、利用者の欲しい情報を一緒に探してくれたり、これはという書籍を紹介してくれたりします(雑解説)。

今回はじめて図書館のリファレンスを利用したので、記録がてら紹介したいと思います。

聞きたい情報を絞っておく

リファレンスを利用する前に「自分が一体何を知りたいのか」をきちんと言語化しておきます。これがないとカウンターの前であたふたして結局目的が果たされません。
私の場合は「1978年より前に、日本の論文・書籍で『マンカラ』というボードゲームについて言及しているものがないか知りたい」というように絞りました。1978年としたのは、この年にマンカラについて説明した増川宏一さんの「盤上遊戯」が出版されているからです。この際、1978年以後の文献はどうか、前とはいってもどれくらい前までかなどの補足情報もメモしてまとめておくと司書さんは助かる…かもしれません。過言かも。

図書館に行く

リファレンス機能は残念ながら全ての図書館にあるわけではありません。在住の静岡県では静岡・浜松の市立図書館、あとは県立図書館がやっています。一番近かったのは県立中央図書館だったので、バイクで1時間ほどかけて到着しました。
なお、メールで聞けたりもするので必ずしも訪問する必要はありません。でもせっかくだしね。

貸し出しカードを作る

リファレンスを利用するのに必ずしも必要ではないようですが、県立図書館では文献の複写に貸し出しカードが必要なので作っておきます。

リファレンスカウンターに尋ねる

コロナウイルス対策のためリファレンスカウンターには椅子がなく、司書のお姉さんを上から見下ろす形で質問する羽目になりました。少し目線を落としながら冒頭の質問をし、同時にこれまで調べてきたことについても簡単に触れます。
マンカラは国会図書館の検索でも「サラリー『マンから』」などがヒットするなどノイズが多く、お姉さんでも苦戦しているようでした。直接言及しているものはないものの、関連語で「ゲーム」「遊戯」などを検索して「遊戯大事典」という終戦直後の本を紹介してくれました。しかもちょうど県立図書館に蔵書しているとのこと。禁帯出なのでリファレンスカウンター目の前の机(ここも椅子なし)で調べてみます。とりあえずこれでリファレンスサービスは終わりかな?



……。これ、子供のやる「スポーツ」とか体を動かす遊びについての本で、ボードゲームとかは将棋すらないな。なぜかカロムはあったけど。


こういうこともあります。残念な顔でお姉さんのところに戻ると、なんとまだ調べてくださっていたようで、共同リファレンス事例DBにマンカラについて聞いた事例があるのを見つけてくださっていました。ありがてえ。
今回は「あるかもしれないけど見た限りではなさそう」という結論でいったんおしまいとなりました。「もしかしたら新聞とかは可能性あるかも」という司書さんのコメントもあったので、機会があったら調べてみたいですね。

こんなふうに、リファレンスでは自分が調べたいことを司書さんと一緒に調べることができます。ひとりで調べるとバイアスがあったり、心理的にも心細いことがあるので、他人の意見を無料で聞けるのはとてもいいサービスです。
県民税を納めている身ですから、今後も使い倒していこうと思います。

そんなことを帰りの東名で考えていると、唐突に自分の質問の回答を思い出しました。
「そういや、当の1978年の文献に「イエス時代の日常生活」に言及があるって書いてあったわ」
この本の出版が1964年だから、この本が日本でマンカラに言及した最初かも?

2020年8月25日火曜日

CoC 7版の対抗ロール成功確率を「きちんと」計算する

はじめに

CoC7版の対抗ロール成功確率をきちんと計算したいということは、前回の記事「CoC 7版の対抗ロール:「失敗」と「ファンブル」が出たときは?」 にも書いた。成功確率を計算するには、双方が「失敗」した時の扱いについてはっきりしておく必要があったので、前回記事で「失敗時は能力値比較」と「失敗時は振り直し」とした時の確率を比較し、失敗時は振り直し(あるいは、「双方失敗として処理」しても同様)とするのが良さそうという結論になった。

今回は、上の結果を踏まえて対抗ロール成功確率を計算したい。

おさらい

ルールブックP87と前回記事の結果から、プレイヤーA, Bが対抗ロールをした時の勝敗は次のようになる。

Aの成功度
ファンブル 失敗 レギュラー ハード エクストリーム クリティカル
Bの成功度 ファンブル 失敗 失敗 A A A A
失敗 失敗 失敗 A A A A
レギュラー B B 能力値比較 A A A
ハード B B B 能力値比較 A A
エクストリーム B B B B 能力値比較 A
クリティカル B B B B B 能力値比較

お互いの成功度を比較して、Aが勝利する組み合わせは「A」、Bが勝利する組み合わせは「B」、成功度が等しいためAとBの能力値を比較して勝敗を決める組み合わせは「能力値比較」と記した。ここで、双方が失敗したときに「失敗」としたが、失敗時の処理はルールブックには明記されておらず、大きく次のようなパターンで処理されると考える。

  1. 失敗時もあくまで成功度を比較して勝敗を決める(「失敗」は「ファンブル」に勝つ)
  2. 失敗時は振りなおしとする
  3. 失敗時は「双方負け」として別の処理をする
前回の記事では1番のパターンと2番のパターンを比較して、2番の方が良さそう(確率の差が能力値の差と近くなる)という話だった。3番は記事中では検討していないが、実質2番と似たような確率になるので、2番をやるには振りなおしの時間がもったいないというKPは3番のパターンを検討してみるといいかもしれない。
今回は、2番のパターンを前提として能力値と成功確率をプロットしてみる。
対抗ロールを行うプレイヤーを仮に「能動側」「受動側」と名付けて、能動側が勝利する確率をプロットした。これをみると、双方の能力値が等しいところが50%の成功率で、それより能動側の能力値が高いと確率が高く、能力値が低いと確率が低くなっている。能力値が高いところで40%, 50%, 60%の線が近接していることから、能力値が高いものどうしで対抗ロールをすると、少しの差が大きな確率の変化につながっているようだ。これは、両方が失敗して振り直しをする確率が低くなり、対抗ロールが一発勝負になる傾向にあるからか。

それではパターン3番の「振りなおしはせず双方負けとして処理」する時の勝利確率はどうだろうか。
$y = x$の線を境目に、左上領域はなだらかなカーブを、右下領域は直線的に等高線が引かれている。これ本当にあってるのか? とにかく、振り直す場合とは大きく確率が異なる。能動側の能力値が受動側より大きくなると、成功度が等しくても勝利する判定になるので、$y = x$の線を境目に確率がグンと良くなるのがわかる。

まとめ

失敗時ロール振りなおしを行った時の対抗ロールの確率について計算した。詳しい計算過程は下のGistにJupyter notebookでまとめたので、もし間違いなどを見つけたら教えていただければとても嬉しい。