2020年8月25日火曜日

CoC 7版の対抗ロール成功確率を「きちんと」計算する

はじめに

CoC7版の対抗ロール成功確率をきちんと計算したいということは、前回の記事「CoC 7版の対抗ロール:「失敗」と「ファンブル」が出たときは?」 にも書いた。成功確率を計算するには、双方が「失敗」した時の扱いについてはっきりしておく必要があったので、前回記事で「失敗時は能力値比較」と「失敗時は振り直し」とした時の確率を比較し、失敗時は振り直し(あるいは、「双方失敗として処理」しても同様)とするのが良さそうという結論になった。

今回は、上の結果を踏まえて対抗ロール成功確率を計算したい。

おさらい

ルールブックP87と前回記事の結果から、プレイヤーA, Bが対抗ロールをした時の勝敗は次のようになる。

Aの成功度
ファンブル 失敗 レギュラー ハード エクストリーム クリティカル
Bの成功度 ファンブル 失敗 失敗 A A A A
失敗 失敗 失敗 A A A A
レギュラー B B 能力値比較 A A A
ハード B B B 能力値比較 A A
エクストリーム B B B B 能力値比較 A
クリティカル B B B B B 能力値比較

お互いの成功度を比較して、Aが勝利する組み合わせは「A」、Bが勝利する組み合わせは「B」、成功度が等しいためAとBの能力値を比較して勝敗を決める組み合わせは「能力値比較」と記した。ここで、双方が失敗したときに「失敗」としたが、失敗時の処理はルールブックには明記されておらず、大きく次のようなパターンで処理されると考える。

  1. 失敗時もあくまで成功度を比較して勝敗を決める(「失敗」は「ファンブル」に勝つ)
  2. 失敗時は振りなおしとする
  3. 失敗時は「双方負け」として別の処理をする
前回の記事では1番のパターンと2番のパターンを比較して、2番の方が良さそう(確率の差が能力値の差と近くなる)という話だった。3番は記事中では検討していないが、実質2番と似たような確率になるので、2番をやるには振りなおしの時間がもったいないというKPは3番のパターンを検討してみるといいかもしれない。
今回は、2番のパターンを前提として能力値と成功確率をプロットしてみる。
対抗ロールを行うプレイヤーを仮に「能動側」「受動側」と名付けて、能動側が勝利する確率をプロットした。これをみると、双方の能力値が等しいところが50%の成功率で、それより能動側の能力値が高いと確率が高く、能力値が低いと確率が低くなっている。能力値が高いところで40%, 50%, 60%の線が近接していることから、能力値が高いものどうしで対抗ロールをすると、少しの差が大きな確率の変化につながっているようだ。これは、両方が失敗して振り直しをする確率が低くなり、対抗ロールが一発勝負になる傾向にあるからか。

それではパターン3番の「振りなおしはせず双方負けとして処理」する時の勝利確率はどうだろうか。
$y = x$の線を境目に、左上領域はなだらかなカーブを、右下領域は直線的に等高線が引かれている。これ本当にあってるのか? とにかく、振り直す場合とは大きく確率が異なる。能動側の能力値が受動側より大きくなると、成功度が等しくても勝利する判定になるので、$y = x$の線を境目に確率がグンと良くなるのがわかる。

まとめ

失敗時ロール振りなおしを行った時の対抗ロールの確率について計算した。詳しい計算過程は下のGistにJupyter notebookでまとめたので、もし間違いなどを見つけたら教えていただければとても嬉しい。


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