図書館。
本を借りるところです。
しかし、図書館はそれだけが機能ではありません。図書館のもう一つの機能、それこそがリファレンスです。司書さんが、利用者の欲しい情報を一緒に探してくれたり、これはという書籍を紹介してくれたりします(雑解説)。
今回はじめて図書館のリファレンスを利用したので、記録がてら紹介したいと思います。
聞きたい情報を絞っておく
リファレンスを利用する前に「自分が一体何を知りたいのか」をきちんと言語化しておきます。これがないとカウンターの前であたふたして結局目的が果たされません。
私の場合は「1978年より前に、日本の論文・書籍で『マンカラ』というボードゲームについて言及しているものがないか知りたい」というように絞りました。1978年としたのは、この年にマンカラについて説明した増川宏一さんの「盤上遊戯」が出版されているからです。この際、1978年以後の文献はどうか、前とはいってもどれくらい前までかなどの補足情報もメモしてまとめておくと司書さんは助かる…かもしれません。過言かも。
図書館に行く
リファレンス機能は残念ながら全ての図書館にあるわけではありません。在住の静岡県では静岡・浜松の市立図書館、あとは県立図書館がやっています。一番近かったのは県立中央図書館だったので、バイクで1時間ほどかけて到着しました。
なお、メールで聞けたりもするので必ずしも訪問する必要はありません。でもせっかくだしね。
貸し出しカードを作る
リファレンスを利用するのに必ずしも必要ではないようですが、県立図書館では文献の複写に貸し出しカードが必要なので作っておきます。
リファレンスカウンターに尋ねる
コロナウイルス対策のためリファレンスカウンターには椅子がなく、司書のお姉さんを上から見下ろす形で質問する羽目になりました。少し目線を落としながら冒頭の質問をし、同時にこれまで調べてきたことについても簡単に触れます。
マンカラは国会図書館の検索でも「サラリー『マンから』」などがヒットするなどノイズが多く、お姉さんでも苦戦しているようでした。直接言及しているものはないものの、関連語で「ゲーム」「遊戯」などを検索して「遊戯大事典」という終戦直後の本を紹介してくれました。しかもちょうど県立図書館に蔵書しているとのこと。禁帯出なのでリファレンスカウンター目の前の机(ここも椅子なし)で調べてみます。とりあえずこれでリファレンスサービスは終わりかな?
……。これ、子供のやる「スポーツ」とか体を動かす遊びについての本で、ボードゲームとかは将棋すらないな。なぜかカロムはあったけど。
こういうこともあります。残念な顔でお姉さんのところに戻ると、なんとまだ調べてくださっていたようで、共同リファレンス事例DBにマンカラについて聞いた事例があるのを見つけてくださっていました。ありがてえ。
今回は「あるかもしれないけど見た限りではなさそう」という結論でいったんおしまいとなりました。「もしかしたら新聞とかは可能性あるかも」という司書さんのコメントもあったので、機会があったら調べてみたいですね。
こんなふうに、リファレンスでは自分が調べたいことを司書さんと一緒に調べることができます。ひとりで調べるとバイアスがあったり、心理的にも心細いことがあるので、他人の意見を無料で聞けるのはとてもいいサービスです。
県民税を納めている身ですから、今後も使い倒していこうと思います。
そんなことを帰りの東名で考えていると、唐突に自分の質問の回答を思い出しました。
「そういや、当の1978年の文献に「イエス時代の日常生活」に言及があるって書いてあったわ」
この本の出版が1964年だから、この本が日本でマンカラに言及した最初かも?
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